2022年8月。ねおパパ、初のコロナ陽性になってしまった。
体調はよくなっても10日間は自宅療養するように保健所から言われているので、自然とアマプラのリモコンに手が伸びる。
「せっかくだから、これまで見てこなかった『名作』と言われるアニメでも一気見するか。」と何気なく作品リストを眺めていた。
すると1つの作品に目が止まった。それが「コードギアス 反逆のルルーシュ」である。
この時ねおパパの頭には、昔飲み会である友人から言われた言葉が浮かんだ。
「え?元声優とかアニメ好きとか言っといて、コードギアス見てないの?にわかやん!」
決して根に持っているわけではないが、友人がそこまで言うアニメをノーチェックだったことに少し後ろめたさを感じていたのは事実である。
リアルタイムで見ていなかったのには理由があるのだが、何はともあれ今回の一気見は「コードギアス」に決まった。
結論から言ってめちゃくちゃ面白い。一部ながら見の部分もあるが、ハマる。今のねおパパの価値観でも十分楽しめる。
その理由を、アニメ好き・元声優目線でお伝えしていく。
「コードギアス 反逆のルルーシュ」とは?
日本のSFロボットアニメ
2006年10月から放送が開始された、サンライズ制作のアニメ。
ガンダム好きの人間であれば、サンライズのロゴとハロを見ただけて安心感を得ることだろう。
第2シーズンとしての立ち位置である「反逆のルルーシュR2」や2019年に劇場公開された「復活のルルーシュ」などもある。
物語のあらまし
世界の3分の1を支配する超大国「神聖ブリタニア帝国」は日本を植民地とし、「日本」の呼び名を「エリア11」に変え、そこに住む「日本人」を「イレヴン」と呼ぶようになる。主人公であるルルーシュは、殺された母の復讐と妹ナナリーのため、ブリタニア帝国への反逆を開始する。
リアルタイムで見なかった理由
放送当時ねおパパは大学生であり、同じ時間帯のアニメであった「ガンダムSEEDシリーズ」まではチェックしていた。
新作アニメの予告映像として「コードギアス」という番組が始まるということも知っていた。
アニメ好きで、時間にも余裕があったであろうねおパパが、リアルタイムを見逃したのはなぜか?
主人公の声・動き
予告映像を見たとき、主人公ルルーシュ役の声優「福山潤さん」の芝居がコテコテのイケボすぎて「きっつ…」という印象を受けてしまったのだ。
福山潤さんの声はテイルズオブディスティニー2をプレイしているので大変親しみがあるし、大好きだ。
だが初見でのルルーシュの演技は、オーバーすぎるくらいキザに感じた。女性ウケはすごくしたと思う。
また、ルルーシュの仕草がやたらクネクネしていて「中2クサイ」感じがしたのも原因だろう。見ればわかる。
しかし、ストーリーが進むにつれてそんなことは一切気にならなくなるし「これこれ!この芝居がルルーシュ!」とたまらなくなってくる。
コードギアスおすすめポイント
元声優サラリーマン、ねおパパがコードギアスをおすすめする理由をご紹介。
モブを大切にしている
物語全体を通して「神聖ブリタニア帝国」「黒の騎士団」「アッシュフォード学園」「中華連邦」など、様々な組織に所属するたくさんのキャラクターが登場する。
主要なキャラもいればもちろんたまにしか登場機会のないモブもいるのだが、このモブが案外大切にされている。
レジスタンスである「黒の騎士団」には顔も名前も思い出せないようなモブっ子がちょいちょいいるのだが、一人一人名前がつけられており、戦死したときはちゃんと名前を読んで思い出してもらえる。
戦争もののアニメおいてモブは雑に扱われることが多いので、コードギアスでのモブの扱いには好感がもてる。
ドラマ重視
SFロボットアニメとうたわれているが、物語の鍵をにぎっているのは頭脳をつかった知略戦である。
もちろんロボット同士の戦闘も十分描かれている。ドラマパートとのバランスがとてもよい。
お世辞にもロボットがかっこいいとは言えない。ねおパパがガンダム贔屓というのもあるかもしれない。
登場人物が頻繁に口にする「イエス、ユア マジェスティ!」などの決め台詞は、なかなかクセになる。
特殊能力ギアス
コードギアスの世界には「ギアス」と呼ばれる特殊能力のようなものがある。
このギアスが物語の重要な要素となっているのだが、この能力を使えるのは作中でも数名しかいない。
主人公ルルーシュのギアスは「他人に対して一度だけ、ルルーシュの命令に従わせることができる」というもの。
こういう超能力が出てくると、そればっかりになってインフレ気味になることがあるのだが、ギアスばっかりにならないのがいい。
コードギアスここがおしい!
とても完成度の高い作品だと思うが、ねおパパなりの目線でツッコミも入れておく。
ルルーシュがチート
おすすめポイントと矛盾するところもあるが、ルルーシュのギアスがチートすぎる。
能力の制約が少ないので、後半なんでもありになってしまう。
ルルーシュが下した「生きろ」とか「俺に従え」という命令に、ほぼ無期限で従い続けているキャラクターまでいる。
さすがに時間制約はあった方がより物語に緊張感が生まれたのではないだろうか。
おかげで味方サイドが形勢逆転を起こすときは「とりあえずギアス」の感がいなめない。
学生とレジスタンスの両立
ルルーシュはアッシュフォード学園での学生と、レジスタンスのリーダー「ゼロ」という2つの顔をもっている。
ルルーシュは世界最高峰の頭脳をもつという設定だが、独立を求めるレジスタンス「黒の騎士団」のリーダーを完璧にこなしながら、学生生活との両立を果たしている。いくらなんでもムチャだ。
しかもルルーシュは、ゼロであるときも肉声でテレビにむかって演説をしている。
これで気づかない周りの人間もどうかしている。
ルルーシュの正体を「ゼロかも?」と感づいたレジスタンスの仲間でさえ「声は似てるけど、無線での声じゃあてにならないし…」などとのたまっている。
鈍感すぎる。
豪華すぎる声優陣
やはり元声優としては、この作品の声優陣からは目がはなせない。
とにかく豪華。このキャストを集めるのに、さぞお金がかかっただろうと思われる。
今の新作アニメは、主役にどんどん若い人を起用していていい風潮だと思う。
しかし30を越えたおっさんは「ああ、この声この声」というベテランの声に安心感を得たいもの。
今の若手起用は、名人やベテランが生まれにくいのではと感じている。
主要キャストとイチオシキャラ
福山潤、櫻井孝宏、ゆかな、小清水亜美、杉山紀彰、白鳥 哲、井上喜久子、渡辺明乃、高田裕司、真殿光昭、皆川純子、南 央美
このメンバーを見ただけで、ねおパパはわくわくする。
特に高田裕司さん、真殿光昭さんの黒の騎士団コンビは渋すぎる。藤堂(高田さん)、扇(真殿さん)のおじさん2人がレジスタンスで奮闘するのは見る者に勇気をくれる。
高田さんは映画の予告のイメージが強かったので、アニメでの演技を聞けて新鮮な気持ちになれた。
ねおパパは昔、養成所で「ねおパパさんの声って、杉山紀彰さんに似てますね。」と同期の女性に言われたことがある。
そのためリヴァルの演技を、ライバル視しながら見てしまった。リヴァル、かわいい。ねおパパにはあの雰囲気は出せない。
白鳥哲さんは声質や演技の雰囲気がゆえに好き嫌いが分かれるところだが、科学者ロイドのちょっとぶっとんだ思考のキャラにマッチしていた。
このロイド、はじめは好きになれなかったが、物語にほどよいリラックス感を与えてくれるおいしい役だ。
なお、作中でも1,2を争うくらい幸の薄い「シャーリー」を忘れてはならない。制作陣はシャーリーに恨みでもあるんかいってくらい、不遇である。
まとめ
2000年代のアニメではあるものの、ストーリー、キャストとも現代の価値観でも十分楽しむことができる。
ロボットアニメでありながら、ドラマにも重きをおき、頭脳戦が見るものを飽きさせないことが大きな理由だろう。
ルルーシュの生活やギアスありきの部分にはツッコミ所があるが、あなたがどう思うか、考えながら見てほしい。
きっと全てを見終わったとき「オール ハイル ブリタニア!」「イエス!マイ ロード!」と叫びたくなるだろう。